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  • 特報
INTRODUCTION
ザ・スミス解散のニュースが駆け巡った1987年、9月。
5人の若者が自分を探し彷徨う、忘れられない一夜
1980年代、痛烈な歌詞と独特の音楽性で、イギリスのミュージックシーンを席巻した伝説のバンド ザ・スミスの名曲の数々と貴重なインタビュー映像を彩りに、80年代が蘇る。タイトルの「ショップリフターズ」、代表曲の「ゼア・イズ・ア・ライト」、「ディス・チャーミング・マン」、「心に茨を持つ少年」ほか、ザ・スミスの楽曲20曲以上が全編に散りばめられ、メンバーとの関係や、解散について語る若き日のモリッシーを見ることができる。ザ・スミスの楽曲はもちろんのこと、80年代のファッションや空気感を見事に再現し、未来への不安と自分を探して彷徨う5人の若者の刹那を描いた、珠玉の青春音楽映画が誕生した!
都市伝説?それとも事実?
30年以上語り継がれた “ザ・スミスファンのラジオ局ジャック事件”を映画化
関係者やファンの間で長年語り継がれた“ザ・スミスファンのラジオ局ジャック事件”に着想を得て本作を監督したのは、『WE ARE X』、『JACO[ジャコ]』など音楽映画に定評のあるスティーヴン・キジャック。ラジオ局をジャックするディーン役を演じるのは、『6才のボクが、大人になるまで。』のエラー・コルトレーン、ディーンが密かに恋する “ショップリフター”クレオ役をNetflixの人気シリーズ「ソーシャルディスタンス」のヘレナ・ハワードが務める。クレオの3人の仲間、マドンナのファッションを完コピするシーラ役は、マーク・ミラー原作のスーパーヒーロードラマ「ジュビターズ・レガシー」のセクシーなヒーロー、クロエ役で話題のエレナ・カンプーリス。シーラのボーイフレンド、パトリック役はビル・プルマン主演のスパイサスペンス『ザ・コールデスト・ゲーム』のジェームズ・ブルーア、軍隊に入隊が決まり、皆が集まるきっかけとなるビリー役には、『ファミリー・ツリー』のニック・クラウスなど、新進気鋭の若手俳優が集結し、ピープル誌が発表した「最もホットな独身男性」1位に選ばれたこともある「トゥルーブラッド」シリーズのジョー・マンガニエロが、ディーンの突撃に驚きながらも、理解を示すラジオ局DJミッキー役で脇を固めた。
STORY
決して消えない光を求め、若者たちは街へと飛び出した。
コロラド州、デンバー。スーパーで働くクレオは、大好きなザ・スミス解散のニュースが流れても普段と変わらない日常に傷つき、レコードショップの店員ディーンに「この町の連中に一大事だと分からせたい」と訴える。ディーンはクレオをデートに誘うが、友達が軍隊に入るので仲間と集まるからとクレオは出かけていく。1人になったディーンは、地元のヘビメタ専門のラジオ局に行行ってザ・スミスの曲をかけろとDJに銃を突きつけた。同じ頃、クレオ、ビリー、シーラ、パトリックの仲良し4人組は、パーティーでバカ騒ぎをしながらも、自分自身や将来について思い悩んでいた。
CHARACTER
CleoHelena Howard
[クレオ]ヘレナ・ハワード
高校を卒業後、スーパーでレジ係の仕事をしているが、仲間たちには「大学生」と嘘をついている。ディーンとはよく話す間柄。
DeanEllar Coltrane
[ディーン]エラー・コルトレーン
レコードショップの店員。よく店に来るクレオに恋している。1人で店番をしている時はクレオの万引きを見逃している。
SheilaElena Kampouris
[シーラ]エレナ・カンプーリス
マドンナのスタイルを完コピ。中学からのボーイフレンド、パトリックとの関係に悩んでいて、幼なじみのデビッドと怪しい雰囲気に。
BillyNick Krause
[ビリー]ニック・クラウス
明日、米国陸軍へ入隊する。父親を喜ばせたいと思う一方で、軍人に向いているのか悩んでいる。元カノのクレオが忘れられない。
PatrickJames Bloor
[パトリック]ジェームズ・ブルーア
ロンドンの大学に進学が決まっている。ガールフレンドのシーラとは1度セックスをしたきりで、中途半端な関係。
Full Metal MickeyJoe Manganiello
[DJフルメタル・ミッキー]ジョー・マンガニエロ
ヘビメタ専門局KISS-101FMの深夜番組DJ。突然銃を持って立て籠ったディーンに驚きながらも、次第に理解を示す。
STAFF
DirectorWriter:Stephen Kijak
[監督・脚本]スティーヴン・キジャック
1969年生まれ。ビートルズと並ぶ人気を誇ったウォーカー・ブラザーズの奇才スコット・ウォーカーの伝記映画『スコット・ウォーカー 30世紀の男』(06)で監督として頭角を現し、ミック・ジャガーから直接の依頼で『ストーンズ・イン・エグザイル~「メイン・ストリートのならず者」の真実』(10)を手がける。孤高のエレクトリック・ベース・プレイヤー、ジャコ・パストリアスのドキュメンタリー『JACO[ジャコ]』(12)や、X JAPANがマディソン・スクエア・ガーデンでの公演を成功させるまでを描いた『WE ARE X』(16)で世界各国の映画祭で数々の賞を受賞し、その評価を不動のものにした。近作はサザンロックの雄レーナード・スキナードのTVドキュメンタリー「IF I LEAVE HERE TOMORROW: A FILM ABOUT LYNYRD SKYNYRD(原題)」(18)、大女優ジュディ・ガーランドと3番目の夫シド・ラフトの関係を描いたTVドキュメンタリー「SID & JUDY(原題)」(19)など。
The Smiths
ザ・スミス
[活動期間 1982年 - 1987年]
1980年代、サッチャー政権下のイギリスで、賃金の低下や増加する失業率に苦しむ若者たちの気持ちを代弁した痛烈な歌詞と、繊細でメロディアスなギターのフレーズが特徴的なサウンドでミュージックシーンを席巻し、多くのミュージシャンに影響を与えた伝説のバンド。
1982年、マンチェスターにて、ギタリストのジョニー・マーがフロントマンとなるモリッシーを誘い結成。モリッシーの歌詞に、マーが曲をつけるスタイルで楽曲制作をスタートする。その後マイク・ジョイス(ドラム)、アンディ・ルーク(ベース)が加入し、1983年5月ラフ・トレード・レコードから、シングル「ハンド・イン・グローヴ」でデビュー。セカンドシングル「ディス・チャーミング・マン」がスマッシュヒットし一躍人気バンドとなる。1984年2月、デビュー・アルバム「ザ・スミス」を発表、UKチャート2位を記録。1985年2月、セカンド・アルバム「ミート・イズ・マーダー」でUKチャート1位に登りつめる。1986年、サードアルバム「ザ・クイーン・イズ・デッド」でもUKチャート2位を獲得。1987年、人気絶頂の最中にジョニー・マーが脱退。9月4thアルバム「ストレンジウェイズ、ヒア・ウイ・カム」リリースを前に解散した。
COMMENT
The Smithsの曲がラジオから次から次へと流れてくるなんて最高じゃないか。
そんなことになったら、誰だって自転車にのって街を走りたくなっちゃうよ。
今やメタルヘッズも当たり前のように聴いている、The Smithsの音楽は、何か魔法でもあるんだろうな。
TAYLOWthe原爆オナニーズ
シャイで無口なディーンは僕の生き写しだ、スミスファンの男たちは皆そう念じるだろう。19歳に戻った僕は1987年のデンバーへと時空を超えた旅をして、伝説のバンドを追悼して、夜を疾走する。この一夜をずっと探し求めていた。
我が青春のザ・スミスは、永遠に。
須田剛一ゲームデザイナー
「青春」という言葉が本当にピッタリくる映画だなと思いました。
4人の若者がさまざまな悩みを抱え間違った道を選んだり悪さをして笑いあったりする様が実際にあったハイジャック未遂事件のラジオ放送を軸に流れるザ・スミスの楽曲とすごくマッチしていて心地よかったです。
宮本佳林歌手
1987年…自分が人生で初めて買ったCDがジャケ買いしたザ・スミスの『ストレンジウェイズ、ヒア・ウイ・カム』でした。それから現在に至るまで今ひとつ理解出来なかったザ・スミスを初めて分かったような気になれました。一言で言うとはみ出し者の味方?…という事で周りから浮いてしまうあなた!必見です!
永野お笑い芸人
憧れと夢想を置き、いつか、若者たちは自らの足で立たなければならない。
推しの解散は、依存との決別。痛みを越えて、自分だけの音を鳴らすんだ。

好きを失ったあの日があったから、成長できた。この映画で、そう思えた。
SYO映画ライター
終わらない青春と何かが始まる予感が交錯する、美しい一夜の伝説。
このロックのおとぎ話、1987年の東京であってもおかしくなかった!
山崎まどか
「1987年の夏、あなたはどこにいましたか?」 『アメリカン・グラフィティ』
公開当時の宣伝文句をもじったそんなキャッチフレーズを本作に捧げたい。
ぼくはといえば、主人公ディーンと同じようにザ・スミスの解散に悲しみ、
メタルDJを憎んでいた……実は仲間だとも知らずに!
長谷川町蔵文筆家
アメリカの田舎町で、スミスを愛してしまった若者たちの一夜の反乱。
繊細で、自虐的で、ナルシスティック。そんな彼らのやることなすことどれもイタい。
でも、そのイタさがスミス的青春だ。
それにしても、映画館で爆音でスミスが聴けるなんて!
村尾泰郎音楽/映画ライター
たった5年で世界を駆け抜けたザ・スミスが表現する痛切な感情が、明日のことさえ分からない若者たちの青春の、刹那的な煌めきと共鳴するのは必然。本作は、ザ・スミスで80年代の青春を代弁した『アメリカン・グラフィティ』だ。
中井圭映画解説者
87年9月、アメリカの地方都市で起こった一夜の伝説が35年の時を経てよみがえる。喪失と焦燥、そして二度と帰ることのない時間。スティーヴン・キジャック監督は、映像でザ・スミスの音楽を奏でているようだ。
油納将志British Culture in Japan
音楽は我々の相棒であり、常に寄り添ってくれる存在。そして時には自分に無限の力を与え、時には人生と言う線路から知られざるコースへ脱線させる魔力もあります。全ての音楽loverへ届けたいザ・スミスの一言、一音の影響力。あの日々のエネルギーを五感を通して味わってほしい。
ハリー杉山タレント
1987年9月ザ・スミスの解散がファイヤースターター!舞台はアメリカのコロラド州デンバー!モリッシーを崇める激烈なニューヨークのストレート・エッジ・パンクたちじゃない。忘れかけ都市伝説のスミスマニアのラジオ・ジャック事件をモチーフに、さえない田舎町で自己発現にストラグルするザ・スミス大好きヤングたちの「分かってたまるか!」な一夜の顛末を描いたザ・スミス色の青春の蹉跌!
大貫憲章 / Kensho Onuki音楽評論家/DJ
84年3月 12日、ロンドンのハマースミス・パレスで観たThe SMITHSに一撃で虜になったのを思い出しました。嘘、偽りのないモリッシーの詩に、繊細かつ力強いジョニー・マーの楽曲が全編に流れる、スミスをテーマにしたこんな素晴らしい映画に今出逢えるとは…欲を言えば20代の時に観たかったです(笑)
青山敏晴DJ/Time To The SMITHS
ザ・スミスが自分にとって全てだった頃、ディーンみたいにヘヴィメタルは敵だと思っていたのを思い出した。でも音楽を愛する人間はみんな同じ目をしていると、この映画は教えてくれる。フルメタル・ミッキーは音楽を逃避と、ディーンは救済と呼ぶが、どちらも同じこと。今ここにいることの苦しみから解放してくれるマジックなのだ。
新谷洋子音楽ライター/「モリッシー インタヴューズ」翻訳者
ファンダムとアーティストの間に時差や物理的な距離があった時代の「おとぎ話」。
楽曲使用や肖像権に厳しいモリッシーがこの作品を全面的に「許した」理由に思いを馳せてしまった。
宇野維正映画・音楽ジャーナリスト
オルタナティブ・ロックが政権を奪取する前夜のアメリカ。コロラドの片田舎に住む若者達は、イギリスの国民的バンドザ・スミスの音楽だけが拠り所だった…。この時期の英米におけるオルタナ受容の差に切り込んだ内容は非常に面白い。ニルヴァーナ登場前夜と読み解くこともできる映画と言えるでしょう。
みのミュージック